理系医療従事者の備忘録

現場とデスクを反復横飛びしています

診療情報管理士認定試験の勉強法について書き残す

はじめに

はじめまして

この記事は、診療情報管理士認定試験の情報の少なさに苦戦した私が、備忘録的に書き残したものになります。
なお、以下の内容は私が受験した年度の認定試験の内容となりますことをご承知おきください。

以下スペック

  • 通信教育編入
  • 医療系国家資格持ち
  • 臨床歴5年
  • 働きながら取得した

なので、専門課程についてのみとはなりますが、自分なりのノウハウを説明していきたいと思います。

認定試験の形式と合格点について

認定試験の実施要項は「診療情報管理士トップページ→お知らせ→診療情報管理士認定試験について」で確認できます。
重要なところをピックアップすると多肢選択式(原則マークシート)、各100点満点、試験時間各60分、多分合格点を公式には明らかにしていない?(公式サイトでは記載を見つけられませんでした)
あとこれも公式サイトでの記載を見つけられなかったのですが、試験後に問題用紙も回収されます。(試験当日に説明あり)
つまり、過去問を入手すること、本番後の自己採点を行うことが非常に困難です。
個人的には、自己採点ができないのがある意味国試よりしんどかったです。(合否がわからないまま1ヶ月強過ごさないとならないため)

出題範囲のジャンル分け

大きく分けると、医療制度・関連法と法令、病院管理・経営とシステム、統計学、診療情報管理、国際統計分類に分けられます。(この区分は通信教育の科目分類とは異なる、私独自の分類です)

共通

「例外となるケース」は非常に問題にしやすいのできっちり抑えておきましょう。

  • 介護施設居住者の支出のうち、介護保険ではカバーされず全額自己負担となるもの
  • 医療法の営利目的の禁止は医業経営の結果利益を上げることを禁ずるものではない

医療制度・関連法と法令

初っ端ですが、ここは実務で医療制度に多少なりとも触れたことがあるかどうかでとっつきやすさが大きく変わると思います。
医療業界にいれば、一度は聞いたことがあるようなものも多いですが、全くの0から学ぼうとするとめちゃくちゃ敷居が高いと思います。
法律・法令:丸暗記しようとするのは無謀なので、まずは雰囲気をつかんでこの法律・条文の重要なところはどこかということを感じることが大事だと思います。
介護保険の被保険者とか、診療録の法定保管期間とか、医師の職業的責任とか……
医療制度:医療制度は直感と反するところが個人的には多い。あとDPCとか急性期での事務経験がないと全然わからんでしょ……
多分行政の資料(リーフレットポンチ絵)なんかを見たほうが理解しやすいと思います。
文章ではなくイメージとして捉えましょう

病院管理・経営とシステム

病院でのセオリーは一般企業とは大きく異なるので、一般企業での経験がある方は逆に手こずるかもしれません。ガラパゴスともいう)
管理や経営、システムなんてところは、むしろ中小病院での勤務経験があるほうが有利だと思います。(大病院だと見通しが悪すぎて何も見えない)

統計学

難易度的には大学の統計学より易しいです。
もし(保健)統計を囓ったことがあるならとっつきやすいと思います。
ガッツリとした計算はなく、四則演算と平均あたりができれば十分かと。
ただ、分散、標準偏差まで手を出すと一気に面倒臭くなるので、算数が苦手なら割り切って捨てるのも一考の余地あり。

診療情報管理

情報セキュリティ等の難易度はITパスポートレベルで、多少PCを扱える人なら常識。
テクノロジ系が苦手な方にはちょっとつらいかも?
でもここは奇問を作りづらいところなので、しっかり勉強すれば安定するところではあります。
ただそれでも、医療情報や医療情報規格に関するところは頑張るしかないですね。分量的にはそんなに多くないですが。

国際統計分類

分類体系

ICD10を持ち込まずに問題を解くという文章のインパクトによって、この単元を捨てようと考える方もいらっしゃるようですが、ここは絶対に抑えておきたいです。
理由としては、
1.重箱の隅をつくような問題は出ない
2.基礎分野の理解度のバロメーターになる
1はそのままの通りで、ICD-10のお作法を理解しているかというのをみるための試験なので、誰も答えられないような問題を出すのは認定試験の目的にそぐわないからです。
2はこの単元を解くためには、基礎分野の知識が頭に入っている必要があるからです。
ここがスムーズに解けるのならば、基礎分野の重要なところは頭に入っていることになりますし、
反対にここで躓くようなら、基礎分野の勉強が足りないかもしれないということになります。
私は、試験が始まったら最後のページに、章、アルファベット、大分類を書いて、必要な時に確認できるようにしていました。

1AB 感染症 9I 循環器 18R 症状徴候
2CD-48 新生物 10J 呼吸器 19ST 損傷中毒外因
3D50- 血液 11K 消化器 20V 交通事故
4E 代謝 12L 皮膚 20WXY その他の外因
5F 精神 13M 筋骨格 21Z 保険サービス
6G 神経 14N 腎泌尿器 22U 特殊目的
7H-59 15O 妊娠分娩産褥
8H60- 16P 周産期
17Q 新生児

専門分野はテンポよく解いていかないと時間が足りないのですが、大分類はある程度まとまった配点があるので、問題ごとに想起する時間がかかってしまうくらいなら、最初に2-3分ほど使ってでも書き出したほうが結果的にスムーズに解けると思います。急がば回れというやつです。

原死因選択ルールと主要病態選択ルール

書いてたら記事1個分になりそうだったので、需要があれば別記事で書きます。
ICD-10 WHOインストラクションマニュアル(総論)のP45~とP.161~に詳細に書いてありますが、それを理解できる人は認定試験は余裕だと思います……

サマリー問題

現病歴から主病名、副病名、医療処置等を選択させる問題が出てきます。
基礎分野とICDのお作法を理解していると雰囲気で解けるので、わざわざ対策する必要はないと思っていますが、どうなんでしょう……?

まとめ

  • 制度や法律はまず雰囲気をつかもう
  • 国際統計分類は気軽に捨てないで
  • 最低限でもICDの大分類は暗記したほうが良い

これだけのことを書き残すためにこの記事を書きました。

PS.続きを書きました
syamichin.hatenablog.com